大正十三年十二月十八日付、海軍造船少将平賀譲による極秘資料「列強の軍艦設計の大勢について」の表紙である。
大正十三年十二月十八日、平賀譲「列強の軍艦設計の大勢について」。欧米視察に基づき、華府条約後の新艦型設計を帝国軍艦と対照して述べる。
ワシントン条約と軍艦設計、主力艦・巡洋艦・航空母艦・潜水艦などを扱う資料の目次。ネルソン、ロドニー、妙高型等の図表目次も記す。
「ワシントン条約と軍艦設計」の一節で、軍艦排水量が用兵上の要求やジュットランド大海戦の教訓により増大し、五万トン時代目前で会議に至る経緯を述べる。
ワシントン条約と主力艦・航空母艦・巡洋艦の関係を論じ、排水量制限下で設計強化が各国比率の実質を変えると述べる。
ワシントン条約後の軍艦設計論で、重量節約と攻防力・速力の配分の重要性を述べ、主力艦では米国「コロラド」と英国「ロドニー」「ネルソン」に触れる。
「ロドニー」「ネルソン」の特色として、排水量の考え方や艤装図・中央切断図を示し、16インチ三連装砲塔3基の配置を説明する。
英国の新戦艦「ネルソン」および「ロドニー」の中央横断図を示す資料。両艦の艦体中央部断面構造に関する図面である。
橋および煙突形状比較図を含む艦艇設計解説で、六インチ副砲、防御集中、二十二ないし二十三ノット、前檣や煙突形状を長門・陸奥等と比較する。
「ジュットランド」海戦の教訓として主力艦の防御力を論じ、長門の設計大改正や英国「フッド」の改正内容を説明している。
第三図「日本・英国・米国の主力艦防御比較図」のページ。長門や高速戦艦、米国の先見などに触れ、防御力強化のため排水量増加・速力低下が記されている。
加賀、天城、紀伊など日本艦の防御設計を述べ、戦闘距離と甲鈑厚の関係や「ネルソン」「ロドニー」の防御方式を論じる。
「水雷防禦」と記された資料のページで、ページ番号と思われる「17」と「16」の数字が併記されている。
主力艦の防御板を強度材として利用する設計の経済性と、英米の特色、防御総重量の比率、「ネルソン」など英国主力艦観察について述べる。
第五表「最近の英国主力艦型の変遷表」と、長門・陸奥以後の八々艦隊主力艦案の研究経過を述べ、加賀・土佐などの決定に触れる。
「第六圖 帝國最近主力艦艦型圖」のページで、長門・紀伊・巡洋戰艦天など帝國最近主力艦の艦型図が掲載されている。
八々艦隊の長門・加賀・紀伊・天城級を英米主力艦と比較し、防御力・砲力・速力やワシントン会議前の計画動向を述べる。
「各国の巡洋艦の内容比較」と題し、一万トン級を中心に巡洋艦の傾向や速力を論じ、英・米・仏・独・伊・蘭・露の比較表を掲げる資料。
各国の最新巡洋艦に関する第7表・第28図の資料。主要要目比較表と艦型図に、「古鷹」「ホーキンス」「エンタープライズ」「オマハ」が示されている。
わが巡洋艦の速力・航続力、攻撃力・防御力を列国艦と比較し、神通級・古鷹級・夕張や英艦「ホーキンス」などの優位点を述べる資料。
「相手側の提案」と題された資料の1ページで、本文中に「33」の記載がある。具体的な提案内容はこのページには示されていない。
「夕張の急速/夕張設計の理論」34~35頁。夕張試造決定の経緯と、駆逐艦の耐洋性・軽構造を応用した船体軽量化、防御配置改良の理論を述べる。
夕張設計における保存問題と実績の記述。推進機関・兵装配置の工夫、艦齢見積り、亜鉛鍍による防蝕、竣工後の良好な成績を述べる。
古鷹級巡洋艦採択の経緯と設計趣旨を述べる資料。七千数百トンで八インチ砲六門を備え、米英巡洋艦を凌駕する新艦型を提案した内容。
「兵力の配分と主寸法の選定」「長さ増加の利益」「復原性」と題し、古鷹の船体長増加による高速化、重量配分、内部配置と横揺れ対策を述べる。
第十図「巡洋艦中央切断および『ビルジキール』比較図」の説明で、船体強度やビルジキール効果、八インチ砲の威力を述べる。
古鷹の単装八インチ砲六門配置と砲力を、英国ホーキンス、米国オマハ等と排水量比で比較し、速力・攻防力の優位を述べる資料。
英国海軍や英米紙が古鷹を評価した記事の紹介。八インチ砲六門など強力な砲装と、日本の艦艇設計技術の先進性が論じられる。
昭和期の「列國一萬噸巡洋艦要領比較表」資料。排水量・速力・発射管・寸法など各国巡洋艦の要目を比較し、優秀性に触れている。
「第二図」と記された資料ページで、金の反復記号や数字、カ・E・大などの文字が縦横に配置され、図表の一部を示している。
第十三圖は、一萬一千八百噸(玖足特地水量)の一等巡洋艦について、船長と馬力(計画全速力)の関係を示す図表資料である。
妙高の攻撃力が砲力・魚雷力とも有力であることを述べ、列国一万トン巡洋艦の防御方式比較と英国・仏国の傾向を解説している。
妙高の設計比較資料。夕張・古鷹以後の研究を加味し、速力・砲力十門・防御・航続力などを列強巡洋艦と比較して優位性を述べる。
「強力」58〜59頁。ブリスターや乾舷・居住区、縦強力・振動防止に触れ、一万トン巡洋艦と巡洋戦艦の発展関係を論じる。
「航空母艦」節の資料で、英国・米国・フランス・イタリアの航空母艦整備状況と、第十六図に示す外観・設計要旨を述べている。
航空母艦の船装に関する資料で、赤城・加賀の設計の相違や、最重要かつ困難な問題として煙突を挙げ、英国「アーガス」や鳳翔の方式を述べている。
航空母艦赤城・加賀の煙突、蒸気、船体高さ、操艦性を論じ、華府条約下の残余トン数での今後の空母建造方針を検討する資料。
航空母艦の艦型選択、商船の航空母船兼用案、仏伊英の新型駆逐艦建造状況を論じ、排水量・速力・航続力を比較する資料。
「第七十表 外國驅逐艦要領比較表」として、各国の驅逐艦について船種、排水量、機関出力、速力、主砲口径などの要領を比較している。
潜水艦の発達と列国の趨勢を述べる資料。内燃機関の進歩により大型潜水艦でも高出力・高速化が可能となったことを説明する。
表10として、英國など各国潜水艦の艦名、水上排水量、水上・水中速力、馬力、砲・発射管数等を一覧比較した資料。
各国の近洋・機雷・艦隊潜水艦の計画要目を比較し、フランス、米国、我が海軍の排水量・馬力・速力・兵装や機関方針を述べる資料。
潜水艦の大型化と兵装を論じ、八インチ砲装備の可能性や砲戦の不利、小型化の必要、商船攻撃用大型艦の条件を述べる。
「特記事項」八、新鋼材および製鉄技術の進歩。英国海軍の新鋼材使用と特性、日本での試作研究開始、産業協力の重要性を述べる。
「わが国の将来の主力艦型および軍艦の実質から見た列強間の比率」第九節。主力艦の重要性と、華府条約後の三万五千トン艦型選定を論じる。
「我が国の将来の主力艦」82〜83頁。ネルソン以上の砲力・防御・速力を必須とし、夕張・古鷹等の重量節約技術の主力艦応用を論じる。
「防御の方針」と題し、「ネルソン」を参考に主力艦の防御・砲力・速力案を検討し、将来艦の比率上の実質的優位を論じる資料。
水上艦艇設計の結論と現在の研究課題を述べた頁。35,000トン主力艦、新航空母艦、巡洋艦・駆逐艦の航続力などを挙げる。
第二回軍備縮小会議への準備として、補助艦制限と商船の仮装軍艦化を論じ、軍艦・商船技術の相互利用や英国造船界の努力に触れている。
造船業不振の中、造船費低減へ造船所や造船協會が助力する現状を述べ、官民協力で外国船受注と国家富強を望む文章。