大正十三年十二月二十三日付、海軍造船少将賀来による「欧米視察の見聞」。大正十四年二月三日に大臣へ提出した控え。
本文は「Prom」とのみ記された資料ページで、他の内容や日付・人名・艦名などは確認できない。
「目次」として、視察概要から主力艦・巡洋艦・航空母艦・潜水艦、魚雷、船体強度、推進機関、造船教育、結論までの章立てを示す。
欧米出張視察の概要で、昨年十一月出発から八月三日帰朝までの行程と、工廠・造船所等八十か所の視察実績を記す。
欧米八十箇所の海軍・造船視察の回想で、各国武官や官民の配慮、仏独英米での見学状況、新艦艇資料の取得、英国での謝恩招宴を述べる。
英国滞在中の旧師・旧友との交流と、十三年提出の各国艦艇・装備に関する視察概要報告、視察事項の一覧を記した資料。
英国・ドイツ・米国など列国の造船・海軍技術調査項目十三〜二十五。甲鉄鈑、新鋼材、操舵機、潜水艦試験タンク等を列挙する。
欧米出張報告の結論部で、列国新艦艇設計の観察を述べる。主力艦では英国「ロドニー」「ネルソン」の攻防・速力配分と防御集中主義を論じる。
「日英米主力艦防禦比較図」と題された資料で、日本・英国・米国の主力艦の防禦を比較する図である。
大正五年の「ジュットランド」大海戦後、長門の防御設計改正を説明する資料。英艦「フッド」「ロドニー」「ネルソン」や米国戦艦との比較を述べる。
米国巡洋戦艦の防御改正への疑問と、我が海軍の長門改良後の加賀・土佐設計、亀ヶ首実験や山田造船中将の傾斜式甲鈑提案を述べる資料。
「十四」と題し、加賀・紀伊・土佐など主力艦の甲板・舷側防御設計について、弾丸・信管の性能や盲弾使用、列国比較を論じる資料。
英国主力艦「ロドニー」の防御設計を論じ、重量増や速力・砲装への影響、さらに最近英国主力艦の変遷考察へ移る頁。
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英国主力艦の巡洋戦艦から高速戦艦への転換と、華府条約後の影響を述べ、長門・陸奥以降の八々艦隊主力艦設計経過を概説する。
華府会議前後の主力艦発達を論じ、長門・加賀・天城級・紀伊や米英艦型を比較し、将来の三万五千トン主力艦は戦艦型を常道とすべきと述べる。
三万五千トン新主力艦の砲力・防御・速力要求と設計上の困難を論じ、夕張・加古などの重量節約設計の成果を対策として述べる。
二十二A・二十二Bは艦艇設計の防御方案に関する考察で、各国巡洋艦の傾向、鋼材、水雷防御、水中弾対策を論じている。
土佐の実験結果を踏まえ、主力艦防御は巨弾対策を第一、水雷を次とし、毒ガス弾や通風装置、重量節約にも触れる資料。
一万トン巡洋艦の列国比較資料。英仏伊米と妙高の長さ・排水量・馬力・速力を対照し、我が設計の強みを述べる。
妙高型高速艦の速力と航続距離に関する比較資料。妙高は六百五十フィートの長さと十三万馬力、重油二千五百トン搭載を論じる。
伊国艦・米国艦や妙高などの主砲・魚雷装備を比較し、伊国艦八門説や妙高の発射管配置、英艦発射能力への研究希望を記す。
巡洋艦「妙高」の攻撃力と防御力を論じる資料。佛國八千噸巡洋艦や米國計画、英國一萬噸艦の無防御傾向を比較している。
「一万噸巡洋艦防禦比較図」と題する資料で、一万噸巡洋艦の防禦に関する比較図であることを示している。
列国一万噸級艦の防御比較資料。英国・フランス・イタリア・米国の装甲や水雷防御を論じ、妙高の防御の優位を述べる。
巡洋艦妙高の防御・速力・航続力と全般設計の比較論。無防御傾向への懸念、長大な船体寸法による重量配分の利点を述べる。
加古と妙高の設計比較資料。加古の利点、妙高の主要寸法と砲配置距離、重量の中央集中による性能上の利益が述べられている。
夕張・五千五百噸級に採用した特殊ビルジキールの横揺れ抑制効果、妙高の乾舷・居住性、航洋性設計上の考察を述べる。
巡洋艦について、一万トン型や加古級、佛國八千トン級などを挙げ、英米艦との比較と加古級への英国内の議論を述べる。
古鷹級の排水量換算に関する備考と、古鷹・夕張・英米巡洋艦の常備排水量、馬力、速力、燃料量比較表の説明。
「巡洋艦防禦比較図」と題する資料で、巡洋艦の防禦に関する比較図であることが示されている。
巡洋艦の性能比較資料で、加古・夕張と神通、英「ホウキンス」などの航続力・攻防力を比較し、加古の優越と設計由来を述べる。
夕張案による五千五百トン型代替と節約案、審議経過を述べ、十年八月四日の七千百トン新艦型提案と加古級採用に触れる。
四十四〜四十五頁では、加古・古鷹級の八インチ砲六門・十万馬力に対する外国雑誌の評価と、夕張との関連を論じている。
四十六・四十七の備考と比較表で、米艦改造の経緯、各国巡洋艦の船体比や砲配置寸法を加古などと比較している。
新規巡洋艦の設計解説で、十万馬力機関や船体寸法、ビルジキール、乾舷、加古から一万トン級への発展、強度確保と重量節約を述べる。
欧米各国の航空母艦整備状況と英米仏型・赤城、加賀の設計差を述べ、煙突配置やサラトガ、レキシングトンの兵装変更を論じる資料。
将来の航空母艦整備について、華府条約の残余二万七千トンの使途を論じる資料。サア、イウステスの一万三千五百トン型二隻案や一万トン艦の可能性が記される。
航空母艦の排水量別建造案比較と推進方式研究の必要性を述べ、赤城・加賀の発着艦甲板配置の利点と不利点を説明する資料。
フランス、イタリア、英国、米国の駆逐艦建造状況を述べ、排水量・馬力・速力・兵装・航続距離の特徴を比較している。
駆逐艦・巡洋艦など補助艦の航続力増強を論じ、燃料搭載、機関方式、ビルジキールや「スペリー」式スタビライザア試験に触れる資料。
駆逐艦のスタビライザーと動揺防止装置を評し、続いて「七、潜水艦」で仏英潜水艦の馬力・速力・装備を検討している。
潜水艦の機関馬力と艦型に関する列国動向の記述。米国・独乙・仏国などの潜水艦計画、ジーゼル機械の標準、艦砲装備論を述べる。
「八、魚雷の進歩」は、磁力で船底を衝撃する魚雷などの発達が、華府条約後の主力艦設計と防御に及ぼす影響を論じる資料。
第一次大戦中の英国巡洋戦艦「リパルス」「リナウン」建造の迅速さを述べ、設計開始から起工・竣工までの経過と関係者を記す。
「六十八」と題する回想文の一節で、「ア、イウステス」から贈られたフィッシャア大将書簡のコピーが当時の状況を思い起こさせると述べている。
「十、軍艦の船体強度不足の実例」。英国・伊太利・米国艦の強度不足例を挙げ、我が海軍の設計方針と安全重視を述べる。
「ドックと入渠できる船の大きさとの関係」として、サウザンプトン浮きドック視察と巨船・主力艦の幅、入渠余裕、将来の大ドック計画を論じる。
英国海軍の大型浮船渠修理・改造と、幅広い主力艦対応の必要性を述べる。続いて電気推進・デーゼル機関の高速艦船利用に関する英国での否定的見解を記す。
米国GE社等の聞き取りを基に、ターボ・エレクトリック不採用とディーゼル機関の燃料経済性、各種推進方式の将来性を論じる資料。
七十七~七十八頁は「デーゼル」機関の重量・燃料効率と艦艇推進への適用性、巡航用機械の研究課題、商船用発達例を論じる。
「新しい造船材料または考案・装置など」として、英国新鋼材や操舵装置、内火艇、独国のフレツナア舵・動揺防止装置の導入・試験を述べる。
高速船用「デーゼル」推進装置やコントラ、プロペラア、砲熕・潜水艦設備について、見聞に基づき研究・購入の必要性を述べる資料。
「十四、海軍造船官を養成する各国の大学」として英仏伊独米の教育機関視察結果を述べ、仏国校への造船官派遣を切望している。
英国造船界の回復状況と「ヂーゼル」機械普及、独仏との比較を述べる資料。軍艦建造はネルソン等に限られると記す。
欧米造船・軍需工場視察報告の一部。米伊の不況、重油専焼化、「マウレタニヤ」修理、各国の「モートル、シツプ」建造状況を記す。
「十六、軍艦設計について民間造船界を指導する必要」。英国の事例を挙げ、わが国でも民間造船所の技術向上と建造費節約を促す必要を述べる。
「結論」として華府條約下の排水量比率を論じ、加古と英「ホウキンス」、妙高を比較し、日本艦の勢力優位を述べる資料。
欧米視察所見の結論部で、主力艦・巡洋艦設計への自信と課題を述べ、三万五千トン主力艦や航空母艦、潜水艦など緊急問題を列挙する。
第二回軍備縮小会議準備に関連し、商船の仮装軍艦としての価値や補助艦艇制限との関係、各国巨船視察から得た技術的所感を述べる。