昭和九年三月の「総長の演述」と題する資料で、東京帝国大学に関する総長演述の表題・日付・所属のみが記されている。
昭和九年四月、庶務課による「序」。本学の二大年中行事で行われた小野塚総長の演述を印刷し、新入学生や父兄らの参考に供す旨を述べる。
「目次」として「東京帝国大学記念日の演述」および「卒業証書の授与に際して」の2項目と頁数が記されている。
昭和9年2月1日の東京帝国大学記念日演述。最近一年の大学状況、皇太子殿下御誕生への賀表奉呈、震災復旧建築の進捗を述べる。
大学施設工事の進捗と学生第二食堂完成見込み、外国学賓の来訪、京大問題に関連する学生示威運動について述べた資料です。
学生運動に関する事件への当局の対応を説明する文書。極左の策動や学内秩序維持、警官来学、処分の最小限化、京大事件と大学自治防衛に触れる。
京大事件を契機に、大学自治の性質と由来を論じる文章。大学の使命、学生の本分、欧州諸大学の自治の歴史に触れている。
大学自治の変遷を論じる資料で、ドイツ大学の十九世紀以降の自治進展と国家干渉、ヒットラー政権下の弾圧を述べる。
大学自治に関する論考で、欧米大学への干渉や補助、日本の大学批判を挙げ、大学の本質と社会的任務への反省を述べている。
大学の使命と社会的役割を論じる文章。公平無私な研究・教育、人材供給の功績、現代社会の試練に対する大学の責任を説く。
大学の国家的・社会的使命を論じ、権力や風潮に屈しない態度、研究奨励や学風振興の必要、学生に健全な常識を養う希望を述べる。
学生に向けた訓示の一部で、科学的考察、妥協心、学生生活は修学と修養の時期であるとの自覚を説き、社会運動への軽率な参加を戒めている。
滿洲事變後の時局に際し、本學関係者へ向けた訓示。国民的自覚を評価しつつ盲目的風潮を戒め、學生に修學と修養を促す。
昭和九年三月三十一日の「卒業証書授与に際して」。千九百三十三名の卒業生に、社会へ出る門出と時代精神の認識を説く告辞。
卒業生に向けた訓示の一部で、世界恐慌後の不安、獨逸のヒットラー政権掌握、米國ルーズヴェルト政策、滿洲國建設などを論じる。
米英仏の挙国一致的政権と、蘇聯邦・伊太利・独逸の専断的独裁国を比較し、ナチス政権成立と授権法通過の背景を論じる資料。
ナチス政権が立法権掌握、一国一党化、ユダヤ人弾圧、地方自治改革、経済統制、ヴェルサイユ条約改正運動などを進めた経緯を述べる資料。
国粋社会党の政策評価に続き、ルーズヴェルトの新処理法(The New Deal)の由来と、金融恐慌下での統制経済開始を論じる資料。
フランクリン・ルーズヴェルトの新処理法について、思想的背景と国民意識の喚起、産業統制や失業救済計画、左右からの批判が述べられている。
ルーズヴェルト政府の新処理法一周年の評価を述べ、米国・独逸・英国・仏国の政治経済革新や議会政治の動揺を比較している。
仏国ドゥーメルグ内閣成立と議会休会、第三共和制下の政局や社会構成を論じ、ワルデック・ルーソーらの先例と立憲主義・専制主義の潮流を述べる。
立憲主義国と専制主義国を対比し、露西亞・獨逸・伊太利の状況や、資本主義修正による平和的な政治・経済新秩序の必要性を論じる資料。
国家革新期における新憲政・新国策の実現方針と社会不安への対処を述べ、赤門を出る諸君に誠実な職責遂行を促す訓示。
卒業生を世に送り出す訓辞で、良心に恥じぬ行為を慎み、国家社会の期待に応え各自の任務に忠実有能であるべきことを説く。
「印刷をもって謄写に代える」と記された短い文面の資料で、同じ文言が繰り返し印字されている。