昭和十六年の「告辞および式辞」で、東京帝國大學総長・平賀讓による告辞および式辞を収めた資料である。
目次で、「卒業証書授与の告辞(三月三十一日)」「入学宣誓式の告辞(四月八日)」「記念日祝賀式の式辞(四月十二日)」を掲げる。
「卒業証書授与告辞」の本文で、各学部の卒業者数計一、九五九名を示し、昨秋の天皇陛下行幸と教育・学術への大御心に触れている。
大学卒業式の告辞とみられる本文で、陛下奉迎の感激、重大時局下で卒業生を国家に送り出す意義、父兄への謝意と報国・孝養の覚悟を説く。
卒業生らへ忠孝と報恩、実社会への心構えを説く訓示。支那事変以後の戦況、東亜新秩序や日独伊三国条約下の国難にも触れる。
卒業生への訓辞で、召集・就職を前に国家への奉仕、大学教育の意義、職業を通じた忠誠と努力を説いている。
新体制建設と高度国防国家確立を説く訓示文で、各自の職務精励、学問研究と修養、広い識見の涵養を求めている。
卒業生への訓示で、自己反省と他者尊重、節操と勇気、忍耐による実力涵養、健康増進を説き、時局下で学生生活を終えた感慨に触れる。
卒業生への別れの言葉に続き、「入学宣誓式告辞」として、新入生に大学学生の本分自覚と国家指導者への決意を促す内容。
新入学生の宣誓式での訓示。家庭連絡者制度の新設趣旨や、家庭と学校の協力、教育ニ関スル勅語奉戴の誓いが述べられている。
教育勅語と大学令第一条に基づき、大学生に人格陶冶・国家思想涵養・学術修得を求め、外来思想受容の心得を説く訓示。
東京帝國大學入学者向け訓示の一部で、思想の中庸、学術研鑽と専門外教養、教練や特設防護團での奉仕、学内秩序を説く。
東京帝国大学全学会の設立趣旨と、昨年十月の天皇陛下行幸に触れ、学生に協調・社会道徳実践・皇恩報謝を説く訓示。
大学入学時の告辞で、英霊への哀悼と感恩、興亜の大国策と国際情勢を踏まえ、学生に使命自覚と人格修養を求めている。
本学六十四周年記念日祝賀式の式辞。天皇陛下と皇室の繁栄を祝い、事変下の奉公、紀元二千六百年や教育勅語発布五十年に触れる。
天皇陛下の十月八日本学行幸を回顧し、興亜国策と日支事変完遂への覚悟、本学関係戦歿者の英霊奉祀準備を述べる式辞。
本学の近況を述べる式辞で、物故・退官教授への哀悼と感謝、卒業生や研究機関の貢献、講座増設状況が記されている。
大学の講座増設、営繕事業、全学講義の成果を述べ、東洋文化研究所設立準備と大東亜新秩序への寄与を記した資料。
国防・生産力拡充に伴う技術者不足に対応し、千葉市北方郊外に第二工学部を設立する計画と敷地選定理由を述べている。
東京帝國大學に関する記述で、「東京帝國大學學術大觀」出版計画、新学年の入学宣誓式・家庭連絡者制度、全學會と特設防護團の設立を述べる。
防護団・農耕部設置、学生の政治団体参加禁止、大學制度臨時審査委員會の審議終了と教練重視など、重大時局下の大学方針を述べた資料。
大学関係者への訓示で、忌まわしい思想の根絶、学生保健の向上、国家に有用な人材育成と大学の使命を説く。
大学の家庭連絡・鍛錬部事業などの方針と、科学振興の必要性を説く資料。高度国防国家や大東亜共栄圏確立に向けた大学の使命を述べる。
新体制下の大学改革・教育責任に関する訓示。教職員に研究と人材育成の尽力を求め、学生に勅語奉戴と鍛錬を促す。
戦時下の全学式辞末尾で、教職員・学生に時局の重大さを説き、皇恩や国体を意識し本分を尽くす覚悟を求めている。
「以印刷代謄寫」とのみ記された資料で、印刷によって謄写に代える旨が書かれている。